HDRとは
ダイナミックレンジとは
映像で表現できる明るさの幅を「ダイナミックレンジ」と呼びます。
HDRとは
これまで私たちが慣れ親しんできたテレビ動画は規格として明るさが制限されていました。そのため、非常に明るい被写体やランプなどの発光被写体をそのまま明るく表現することができませんでした。また、明るい部分と暗い部分がひとつのシーンに含まれる場合、暗い部分を優先させると明るい部分が白飛びしてしまい、明るい部分を優先させると暗い部分が黒つぶれしてしまうような状況が発生しがちでした。 これをSDR(Standard Dynamic Range)といい、これに対して明るさが拡張された動画をHDR(High Dynamic Range)といいます。 HDRでは、SDRに対して表現できる明るさの幅が広がり、明るい被写体やランプなどの発光被写体も、より実際の雰囲気に近い表現が可能になります。また、白飛び、黒つぶれも発生しにくく、映像としての表現力が広がります。
動画HDR(High Dynamic Range)の国際規格として、Recommendation ITU-R BT.2100があり、[ピクチャープロファイル]のHDR撮影用設定はこの規格を元に作成されています。ガンマは、PQ、Hybrid Log-Gammaの2種類の方式がありますが、Hybrid Log-Gammaを採用しています。また、色域は4K、8K テレビ用の規格であるBT.2020と同じ仕様がBT.2100としても採用されており、他のカメラ、機能との整合性から、これをBT.2020と記述しています。
HDR撮影のポイント
これまでのSDRの場合、ダイナミックレンジが狭いため、黒つぶれ、白飛びが発生しやすく、適正露出と言える明るさは、非常に狭い範囲に限られていました。一方HDRでは、ダイナミックレンジが広いため、黒つぶれ、白飛びが起きにくく露出設定の許容範囲は広くなっています。そのため、露出が多少ずれていても、大きな問題にはならない可能性が高く、いままで自動露出(AE)では難しかったシーンもHDRなら問題なく撮影できる可能性が高いです。 また、別の見かたをすると、明るめの映像、暗めの映像など、映像表現として明るさをコントロールすることも可能です。HDRの映像表現を充分に活かすためにはとても重要なことです。
撮影で露出を意図的にコントロールする場合、波形モニターでレベルを確認をする必要がありますが、波形モニターがない場合でもカメラ内のゼブラ機能、もしくはヒストグラムにゼブラの設定レベルを表示するZebra Indicator機能を使って、簡易的にハイライトの白飛び具合を確認することができます。
また、HDR映像の確認にはそのフォーマットに対応したモニターディスプレイが必要ですが、ガンマ表示アシスト機能でHDR映像を簡易的にカメラ本体のモニター/EVFで確認することができます。この機能はHDRモニターのエミュレーション機能で、HDR映像を完全に表現することはできませんが、HDRとしての映像表現を持った表示が可能です。
ご注意
- [HLG/1/2/3]ガンマに対応したソニー製カメラで撮影したHDR映像をHDMIケーブルを用いて、ソニー製テレビに適切に表示するためには、テレビの画質設定を手動で変更する必要があります。テレビの画質設定はガンマをHLGに対応する設定、カラーモードは撮影した設定に合わせてBT2020、または709に対応する設定にしてください。