色域

色の幾何学的表示に用いる三次元空間を色空間と呼びますが、色空間中においてある機器が取り扱うことのできる色の領域を色域と呼びます。

図のようなXYZ空間中に、ある機器が表現できる赤[R]、緑[G]、青[B]の3点を定めます。すると、[R][G][B]の3点を頂点とする△RGBを描くことができます。この△RGB内のすべての色は[R]、[G]、[B]の加法混色によって表現することができます。このような領域△RGBがその機器の色域です。

色域は、カメラやディスプレイ等の画像を扱う機器に用いられるデバイスや画像処理回路の特性によって異なります。色域が広いほど高彩度な色を表現することができます。

一般によく使われる色域には、「ITU-R BT.2020」、「DCI-P3」、「ITU-R BT.709」などが挙げられます。

S-Log3で撮影するときには、「S-Gamut3.Cine」または「S-Gamut3」のどちらかの色域を選択することができます。


S-Gamut3.Cine

S-Gamut3.Cineの色域は、フィルム撮影のネガフィルムをスキャンしたものに近づけて設計されており、ポストプロダクション工程で調整しやすいようにDCI-P3色域よりも若干広く設定されています。これによりDCI-P3色域をターゲットとするカラーコレクションがS-Gamut3で撮影するよりも比較的容易になります。


S-Gamut3

S-Gamut3の色域はS-Gamut3.Cineの色域よりもさらに広く、カメラがキャプチャーできる最大限の色域です。S-Gamut3は、ACESやITU-R BT.2020に変換するために適した色域であり、撮影素材のアーカイブ目的に最適です。