ストリーミングする

本機で撮影/再生している映像と音声を低遅延でストリーミングすることができます。

ストリーミングには二種類あります。

  • RTMP/RTMPSストリーミング

    Adobe Inc.が開発したRTMP(Real Time Messaging Protocol)で、本機で撮影映像と音声を低遅延でストリーミングすることができます。SSLで暗号化したRTMPSにも対応しています。

  • SRTストリーミング

    Haivision社が開発したSRT(Secure Reliable Transport)で、本機で撮影映像と音声を低遅延でストリーミング伝送することができます。SRTストリーミングにはListenerとCallerがあり、ListenerがIPアドレスやドメインなど接続先情報を持ち、CallerがListenerに接続します。本機はCallerに該当します。

ストリーミングのビットレートの範囲と初期値は、システム周波数と解像度によって以下のように異なります。

システム周波数 ストリーミング
解像度 ビットレート範囲(Mbps) 初期値(Mbps)
59.94/50 3840×2160 38のみ
1920×1080 4.5 ~ 27 9
1280×720 2.3~13.5 6
29.97/25/23.98 3840×2160 13 ~ 38 34
1920×1080 3 ~ 18 6
1280×720 1.5 ~ 9 4

RTMP/RTMPSストリーミングの設定をする

接続先とフォーマットを設定する

  1. フルメニューの[Network]-[Stream]を[RTMP/RTMPS 1]/[RTMP/RTMPS 2]/[RTMP/RTMPS 3]に設定する。

    接続先設定画面が表示されます。

  2. 接続先設定画面の各項目を設定する。

    設定項目 説明
    Display Name Destination Select]のメニュー上の表示名を設定します。
    Codec ストリーミングする映像のコーデックが表示されます。
    Resolution

    ストリーミングする映像の解像度を設定します。

    • 3840×2160P
    • 1920×1080P
    • 1280×720P
    Bit Rate ストリーミングする映像のビットレートを設定します。
    Destination URL 接続するサーバーのURLを設定します。
    「rtmps://」で始まるURLは、RTMPSストリーミングと認識され、ストリーミングデータは暗号化されます。この場合、RTMPS接続用の証明書が必要になります。
    Stream Key ストリーミング接続で使用するストリームキーを設定します。
    RTMPS Certificate

    RTMPSストリーミング用の証明書の読み込みや消去について設定します。

    • Load]:証明書を読み込みます。

    ご注意

    • 読み込む証明書はPEM形式で、メモリーカードのルートディレクトリーに「RTMPS_certification.pem」のファイル名で書き込んでおいてください。
    • Clear]:証明書をクリアします。
    • None]:読み込み/消去を行いません。

    ここで証明書を読み込まない場合は、本機に内蔵の既定証明書が使用されます。

  3. 設定が完了したら[Set]を選択し、設定内容を確定する。

ご注意

  • 設定完了後は、必ず[Set]を選択してください。[Set]を選択しなかった場合、設定した内容が反映されません。
  • RTMPS接続用の証明書を読み込む際は、本機の時刻を正しく設定してください。
  • 記録フォーマットにより、記録動作が優先されるため証明書を[Load]/[Clear]を実行できない場合があります。
  • 低電圧時には、RTMPS接続用の証明書を[Load]/[Clear]することはできません。

    RTMPS Certificate Status]:RTMPS接続用の証明書の読み込み状態を表示します。

    Reset]:設定を初期値に戻します。

本機に内蔵の既定証明書を任意の既定証明書に変更する

  1. カードスロットBに任意の既定証明書が保存されているメモリーカードを挿入する。

    読み込まれるファイル:メモリーカードのルートディレクトリー直下の「RTMPS_DefaultCertificates.pem」

  2. フルメニューの[Network]-[Stream]-[RTMPS Default Certificates]-[Replace]で[Execute]を選択する。

    メモリーカードに既定証明書が書き込まれていることを確認するメッセージが表示されます。なお、既定証明書は、ユーザー任意の既定証明書に変更することも可能です。

  3. OK]を選択する。

    任意の既定証明書が本機に読み込まれます。

    読み込みが正常に終了すると、メッセージが表示されます。

本機に内蔵の既定証明書に戻す

フルメニューの[Network]-[Stream]-[RTMPS Default Certificates]-[Reset]で[Execute]を選択します。

操作が正常に終了すると、メッセージが表示されます。

任意に登録した既定証明書が削除され、本機に内蔵の既定証明書が有効になります。

既定証明書の状態を確認する

フルメニューの[Network]-[Stream]-[RTMPS Default Certificates]-[Status]で既定証明書の状態が表示されます。

本機に内蔵の既定証明書が使用されている場合は、[Preinstall]と表示されます。

任意の既定証明書が使用されている場合は、証明書の変更が行われた日時が表示されます。

表示形式:年4桁(西暦)+月2桁+日2桁+時2桁(24時間)+分2桁+秒2桁

表示例:2024年12月1日12時34分56秒→20241201123456

SRTストリーミングの設定をする

接続先とフォーマットを設定する

  1. フルメニューの[Network]-[Stream]を[SRT-Caller 1]/[SRT-Caller 2]/[SRT-Caller 3]に設定する。

    接続先設定画面が表示されます。

  2. 接続先設定画面の各項目を設定する。

    設定項目 説明
    Display Name Destination Select]のメニュー上の表示名を設定します。
    Codec ストリーミングする映像のコーデックを設定します。
    Resolution

    ストリーミングする映像の解像度を設定します。

    • 1920×1080P
    • 1280×720P
    Bit Rate ストリーミングする映像のビットレートを設定します。
    Destination URL 接続するサーバーのURLを設定します。
    Port ストリーミングの送信先のポートを設定します。
    Latency ストリーミングの配信遅延時間を設定します。
    TTL ストリーミングのTTL値を設定します。
    Encryption ストリーミングの暗号化方式を設定します。
    Passphrase ストリーミングの暗号化に使用するパスフレーズを設定します。
    ARC ストリーミング時のAdaptive Rate Control機能を有効にするか無効にするか設定します。

    ご注意

    • Codec]で[H.265/HEVC]を使用する場合、一部の受信機では正常に再生されない場合があります。再生に問題が発生した場合には[H.264/AVC]をお試しください。
  3. 設定が完了したら[Set]を選択し、設定内容を確定する。

    設定完了後は、必ず[Set]を選択してください。[Set]を選択しなかった場合、設定した内容が反映されません。

    Reset]:設定を初期値に戻します。

ストリーミングを開始する

  1. 本機をインターネットまたはローカルネットワークに接続する。

    ご注意

    • ストリーミングは継続的に大量の通信を行うため、有線LANの使用をお勧めします。とくに無線LAN2.4GHz帯の使用は、モバイル機器からのリモート操作やBluetoothリモコンの動作に支障が出る場合があります。やむを得ず無線接続を使用する場合は、事前に本番同等の電波環境で十分なテストを行ってください。
  2. Stream]ステータス、またはフルメニューの[Network]-[Stream]-[Destination Select]で、事前に設定した伝送設定を選択する。
  3. Stream]ステータスの[RTMP/RTMPS Status]/[SRT-Caller Status]、またはフルメニューの[Network]-[Stream]-[Setting]を[On]に設定する。

    設定に応じてストリーミングが開始されます。

ご注意

  • 以下の場合、ストリーミングを開始できません。

    • フルメニューの[Shooting]-[S&Q Motion]-[Setting]を[On]に設定しているとき
    • フルメニューの[Project]-[Rec Format]-[Frequency]を[119.88]/[100]に設定しているとき
  • ストリーミングを開始してから実際に映像/音声がストリーミングされるまでに数十秒かかる場合があります。
  • ストリーミングの接続先の設定が不正な場合やネットワークに接続できていない場合には、ストリーミング状態表示に[×]が表示されます。
  • インターネット経由で映像/音声データをそのまま送信します。そのためデータが漏えいする可能性があります。接続先がストリーミングデータを受信できていることを確認してください。アドレスの設定ミスなどにより意図しない相手にデータを送信してしまう可能性があります。
  • お使いのインターネット回線やネットワークの状況によっては、配信が中断される場合があります。その場合は、再度ストリーミングを開始してください。
  • 動きの激しいシーンの場合は、画質が悪くなります。
  • ストリーミングを大きな解像度で小さいビットレートに設定した場合、すべてのフレームが再生できない場合があります。この現象を軽減させるためには、[Resolution]でより小さい解像度を選んでください。
  • ストリーミング中は、Monitor & Controlで映像を見ることはできません。
  • ストリーミング中は、ファイルを転送できません。ストリーミングを停止するとファイルを転送できます。
  • ファイル転送中にストリーミングを開始すると、ファイル転送は停止します。ストリーミングを停止するとファイル転送を再開します。
  • ストリーミング中は画面情報の更新頻度が低下しますが、操作には影響しません。
  • ストリーミング中は、記録設定は変更できません。
  • ストリーミング可能な配信フォーマットは、本線の[Rec Format]によって変わります。

ストリーミングを停止する

Stream]ステータスの[RTMP/RTMPS Status]/[SRT-Caller Status]、またはフルメニューの[Network]-[Stream]-[Setting]を[Off]に設定するとストリーミングが停止します。

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